ワインの等級

ぶどう

 ドイツでは近年、フランスのように特定の畑でとれたブドウだけを使ったワインに等級指定を行なおうという動きが強くなっています。フランスのグランクリュにちなんで、ドイツ語ではグローセス・ゲヴェクス(Großes Gewächs)という名称が使われるようになりました。
 ここで紹介するのはドイツワインの伝統的な等級付けです。

公式の認定を受けたワインの等級には大きくわけて2つあります。

  1. 特定生産地良質ワイン Qualitätswein bestimmter Anbaugebiete
    (略号QbA)
    条件: 13の特定生産地の単一地区で生産されたブドウのみから製造され、その生産地独特の性格を備えたワインであること。
    適量の糖分添加は許されている 。
  2. プレディカートつき良質ワイン Qualitätswein mit Prädikat
    (略号QmP)
    条件: 砂糖の添加禁止。 品種・成熟度・調和・気品等に関する最高の基準をみたしているもの。
    6種類のプレディカートに応じた厳正な審査に合格したものには公認試験番号(AP番号)が与えられ、この番号をラベルに表示する義務がある
    プレディカートというのは称号という意味だが、日本酒で言えば「特定名称酒」に似ている

 6等級のプレディカート

  1. カビネット Kabinett
    プレディカートワインの中では一番低い等級
    ブドウ液含有糖度が最低67エクスレ(モーゼル地区)から85エクスレ(バーデン地区ルーレンダー種)に規定されている
  2. シュペートレーゼ Spätlese (=遅摘)
    ブドウ収穫期開始後はやくとも7日以降に摘まれたブドウ
    規定最低糖度は76エクスレ(モーゼル地区リースリング種)から92エクスレ(バーデン地区ルーレンダー種)の間
  3. アウスレーゼ Auslese (=選別)
    一房ずつ選別して収穫された完熟ブドウ
    規定最低糖度は83エクスレ(モーゼル地区)から105エクスレ(バーデン地区)
  4. ベーレンアウスレーゼ Beerenauslese (=粒選別) 略号BA
    一粒ずつ選別して収穫された過熟したブドウ、多くはボトリチス菌により貴腐している
    規定最低糖度は110エクスレ(モーゼル)から128エクスレ(バーデン)
    条件の揃った年だけ生産可能な芳香なデザートワイン
  5. アイスワイン Eiswein
    最低でもアウスレーゼと同等のブドウからつくられる凍結状態(気温氷点下7度以下)で収穫・圧搾されたワイン
    凍結することによりブドウ内の水分が氷となって取り除かれ、残ったブドウ液は非常に濃度のたかいものとなる
    最低糖度は110エクスレ(モーゼル)から128エクスレ(バーデン)
  6. トロッケンベーレンアウスレーゼ Trockenbeerenauslese (=乾燥粒選別)
    略号TBA
    最高等級の尊称 干しブドウのように乾燥してしぼんだ貴腐状態の粒から作られる
    最低糖度は150エクスレ(モーゼル地区リースリング種)から154エクスレ(バーデン地区ルーレンダー種)で他の尊称に比べてすべての生産地にほぼ共通した水準となっている

糖度の単位 エクスレ(Öchsle)

1840年前後にドイツに普及したブドウ液濃度の単位をエクスレ度といいます。
1エクスレ度は1000mlの水の比重よりもブドウ液の比重が1g重いことをさしており、ブドウ液の濃度が75エクスレ度であるとき、そのブドウ液1リットルの重さは1075gです。ブドウ液の重量増をもたらす物質は主に単糖類ブドウ糖・果糖ですので、これが含有糖度の単位となります。

   
 

ドイツ語通訳 ドイツ語翻訳 ドイツ国家検定通訳・翻訳士 井上英巳 Seit 29.6.01