ビールの銘柄

ビール

 ドイツでは昔はどの町にも必ずビール会社がひとつはあって、地ビールを作っていました。現在はその数がめっきり減ったとはいえ、今でも千を超えるメーカーが全国にあります。
 ここではビールのメッカとして有名なミュンヘンの主要銘柄と、バイエルンの有名なビール製造元を紹介します。

パウラーナー Paulaner

パウラーナー パウロ会修道士によるビールの醸造が古くから行われ、1634年にはすでにその記録文書が残されています。後に『サルバトール』Salvator と呼ばれるようになる断食期間中用の強力ビールが売り物で、1780年に修道院ビールの一般への販売が完全に許可されて以来高い人気を維持しています。19世紀初頭に修道院が世俗化されてからは民間のビール製造者として運営され、現在ではミュンヘンのビール会社ハッカープショールHacker-Pschorr やレーゲンスブルクのトゥルン・ウント・タクシス Turn und Taxis など数々のビール会社を傘下に抱える株式会社へと成長しました。

シュパーテン Spaten

シュパーテン 1397年にはすでにミュンヘン市の納税台帳にビール醸造所の記録が残されています。1807年、当時はまだミュンヘンで一番小さいビール醸造所だったシュパーテン(鋤)を王家の宮廷醸造マイスター・ガブリエル・ゼードルマイヤー Gabriel Sedlmayr が買い取ってから1867年までの間にミュンヘン最大の醸造所になりました。1992年には醸造量が100万ヘクトリットルを超えています。

フランチスカーナー Franziskaner

フランチスカーナー 1363年創業のフランシスコ会修道院に起源を持つビール醸造所です。 白ビール専門で、通常の酵母入り白ビールと黒い白ビール、またフィルターをかけて酵母を取り除いた透き通った白ビール(Kristall クリスタル)を醸造しています。 18世紀後半にはシュパーテンと同じくゼードルマイヤー家の所有にあり、1922年にはシュパーテン・フランツィスカーナービール株式合資会社に統合されました。

レーヴェンブロイ Löwenbräu

レーベンブロイ  1383年創業とされています。1746年には初めて『レーヴェンブロイ(ライオンビール)』の名前が記録に残されています。 1997年にはシュパーテンと合併しました。

ホーフブロイ Hofbräu

ホーフブロイ 16世紀までバイエルン公爵家では家臣たちのためにわざわざビールをニーダーザクセンから輸入していました。あまりに費用がかかり過ぎるので当時のバイエルン公ヴィルヘルム5世は自らビール醸造所を作ることにし、1589年にホーフブロイ(宮廷醸造所)を創設します。1602年には白ビールの醸造を始め、ヴィルヘルムの息子マキシミリアン1世が民間の醸造所での白ビールの製造を禁止したため、急成長を遂げます。1610年には公式に平民もホーフブロイビールを(特定のレストランのみで)飲むことが許されます。1614年にはマイボックMaibockと呼ばれる強いビールが醸造されるようになります。1828年にはバイエルン王ルードヴィッヒ1世の命により現在のビアホール『ホーフブロイハウス』でそれまでいわば『宮廷御用達』ビールだったホーフブロイビールが一般に公開されます。

アウグスティーナー Augustiner

アウグスティーナー 1328年にアウグスティノ会修道院でビールの醸造が始まったとされています。ミュンヘンで最も古くからあるビール会社です。
 ミュンヘン旧市街の歩行者天国にある本店や中央駅近くのビアガーデンなど、ミュンヘン市民に人気の高い直営レストランがあります。

カルテンベルク宮殿国王ルードヴィッヒ醸造所
König Ludwig Schloßbrauerei Kaltenberg

カルテンベルク バイエルン王家の末裔が営むビール醸造所。
 バイエルン王国最後の王様ルードヴィッヒ三世の曾孫にあたるバイエルン皇太子ルイトポルトが住むカルテンベルク城でビールが醸造されています。
 König LudwigとKaltenbergという二つのブランドがあります。

アンデックス修道院醸造所 Klosterbrauerei Andechs

アンデックス修道院 ビールで世界的に有名な修道院です。特にアルコール度の高いビールが名物。
 ミュンヘンから来るまで1時間もかからないシュタルンベルク湖の畔にあり、レジャーをかねてビールを飲みに行くのに最適です。

ヴァイエンシュテファン・バイエルン州立醸造所
Bayerische Staatsbrauerei Weihenstephan

ヴァイエンシュテファン ミュンヘンから北東に約25キロ離れたフライジング(ミュンヘン空港近く)の町にある、現在でも醸造が行われているビール醸造所としては世界最古のものです。西暦1040年にはベネディクト派修道院にフライジングの町でビールを醸造する権利が与えられています。また、西暦725年には修道院近くでホップの生産が行われ、その農場主はホップを税として修道院に収めていたことが証明されています。このことから、今日のホップを使うビールが生まれたのがこの修道院であるとされます。今日で独立採算で経営されるバイエルン州所有の醸造所として、ミュンヘン工科大学のビール醸造学科と密接な関係をもち、ビール醸造技術開発のための様々な研究・実験を行っています。

   
 

ドイツ語通訳 ドイツ語翻訳 ドイツ国家検定通訳・翻訳士 井上英巳 Seit 29.6.01