資格
翻訳および通訳という業務遂行のためには特殊かつ高度な技能が必要であるにもかかわらず、ドイツにおいても『翻訳』『通訳』という職種には弁護士や税理士のような法律による規定および制約がありません。従ってドイツ法で言うところの『営業の自由』の範疇に入り、十分な訓練・経験を積んでいるか否かに関わらず誰でも『開業』することができるのです。
ただしドイツ各州の通訳法により保護されている職業名称があります。これについては法に定められている条件を満たす者のみが使用を許されます。
『国家検定翻訳士』
Staatlich geprüfter Übersetzer
ドイツ国内で現在8の州の文部省が実施している翻訳士国家試験(日本語は現在ラインラント・プファルツ州およびヘッセン州のみ)を合格した者のみが使うことを許される名称
ベルリン・ボン・ライプツィヒ・ヒルデスハイム・マインツ・ハイデルベルク大学の翻訳または通訳課程を修了した場合に授与されるディプロム翻訳士 Diplom-Übersetzer と同等のものとみなされ、ドイツ全国で通用する資格。
この資格が下記の『公的任命』の前提条件となる。
『国家検定通訳士』
Staatlich geprüfter Dolmetscher
同上(通訳士国家試験)
『全般について宣誓を行い公的に任命された翻訳士』
Allgemein beeidigter und öffentlich bestellter Übersetzer
いわば『公認翻訳士』であり、居住地を管轄する地方裁判所所長により任命される。『宣誓下』にあるので公的文書の翻訳をする場合にはこのステータスが必要。
公文書翻訳に必要な法的ステータスについては各州法ごとに多少の違いがあります。任命を行う裁判所についても州により上級地方裁判所の場合があります。
州により名称が違う場合があります。『授権翻訳士 Ermächtigter Übersetzer』など
『全般について宣誓を行い公的に任命された通訳士』
Allgemein beeidigter und öffentlich bestellter Dolmetscher
同上
裁判所の口頭弁論での通訳業務を行うことができる
上記の「国家検定翻訳士」「国家検定通訳士」と似た名称に
『国家認定翻訳士』
Staatlich anerkannter Übersetzer
『国家認定通訳士』
Staatlich anerkannter Dolmetscher
というものがあります。これは上述の州文部省による国家検定試験以外の通訳・翻訳技能試験で国家認定を受けているものに合格した人が使える名称です。
具体的には大学以外の通訳・翻訳養成機関、商工会議所などによる試験のことを指しています。
この資格は『公的任命』の前提条件としてドイツ全国で認められていない場合があります。
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