企業の法人形態

ドイツ国旗

 ドイツ法に基づく企業の法人形態の種類について紹介します。
 ドイツで最も一般的な形態は有限会社(GmbH)で、株式会社(AG)は少なく、一部の大企業に限られています。

 自治体が公営事業を行う際には、自治体が出資社員となって有限会社を設立する例が多く見られます。

種別 ドイツ語名称 略号
株式会社 Aktiengesellschaft AG
  民法22条には経済的社団は州により権利能力を認許されることになっているが、株式会社は商業登記簿(Handelsregister)への登記により権利能力を取得する。(株式法第41条1項1号)
有限会社 Gesellschaft mit beschränkter Haftung GmbH
  資本金2万ドイツマルク以上で株式会社とほぼ同様の手続きにより設立される。
簡略化された株式会社ともいえるもので、大企業にも有限会社の形態をとるものがある。
社員(出資者) Gesellschafter の責任は有限。
最高機関は社員総会だが、全社員が文書で同意した場合には総会を開く必要はない。
監査役をおかなくてもよい。
業務は業務執行者(Geschäftsführer/日本の有限会社の取締役)によって遂行される。
法規定は有限会社法 Gesetz, betreffend die Gescellschaften mit beschränkter Haftung
合資会社 Kommanditgesellschaft KG
  無限責任社員(Komplementäre)と自己財産出資限度内で責任を負う有限責任社員(Kommandisten)により構成される商事会社(Handelsgesellschaft)業務遂行権および代表権をもつのは無限責任社員
商法161条以下に規定
株式合資会社 Kommanditgesellschaft auf Aktien KGaA
  少なくとも一人の無限責任社員と有限責任を負担する株主とからなる法人(商事会社)。
無限責任社員については合資会社に関する規定が準用され、無限責任社員が業務執行権および代表権を持つ。
それ以外の項目については原則として株式会社に関する規定が準用される。
取締役会(Vorstand )は存在しない。
有限合資会社 GmbH & Co. KG  
  有限会社が無限責任を有する業務執行社員となっている合資会社
名目上合資会社だがその責任は事実上有限
合名会社 Offene Handelsgesellschaft OHG
  共同の商号(Firma)のもとに完全商人(Vollkaufmann)として商業を営むことを目的とし、かつ各社員が連帯無限責任を負う会社
特に商法に規定が無い限り、民法の組合に関する規定が適用される。
民法組合 Gesellschaft des bürgerlichen Rechts GbR
 

民法典705条以下に規定されているもの。「契約に基づく、複数の人間による共同の目的達成のための団体」であり、本来法人としての権利能力はないとされていたが、連邦最高裁判所2001年1月29日の判決により、法交渉に参加し独自の権利・義務をするものである限りにおいて権利・当事者能力を有するという決定が下された。複数の組合員(Gesellschafter)が組合契約(Gesellschaftsvertrag)を締結することにより民法組合は設立される。

   
 

ドイツ語通訳 ドイツ語翻訳 ドイツ国家検定通訳・翻訳士 井上英巳 Seit 29.6.01