学校教育

ドイツ国旗

 ドイツの学校は通常半日制で、児童・生徒は午前中で授業を終わり家に帰って昼食をとります。スポーツも各地区にあるスポーツクラブで行うため、日本で行われるような放課後のクラブ活動というものはありません。現在連邦のレベルでも両親の負担を軽くし、教育内容を充実させるために全日制の学校の導入についての議論が行われています。

  • 就学年齢    満6歳
  • 義務教育   
     ドイツ連邦で定められている義務教育期間は満6歳から満18歳までの12年間となっています。その具体的な内容については各州の学校法(Schulgesetz)もしくは義務教育法(Schulpflichtgesetz)等により規定されます。
     通常は12年間のうち初めの9年間を学校義務教育期間とし、最後の3年間を職業義務教育期間として分割して規定します。従ってデュアルシステムによる3年間の職業訓練がこれにあたります。
     ベルリン市州のように学校義務教育期間を10年間と定めている州もあります。

 ドイツの学校制度は3分割システムといわれ、義務教育のみを修了する者、実科学校を修了する者、ギムナジウムを修了する者に分かれます。

 ドイツでは学年を修学期間全体を通じて数えるため、日本のように上の学校にあがっても1年生にもどることはありません。それまでの学校の修了学年を併せて数えます。

  1. 初等教育(Primarbereich)は基礎学校(Grundschule)の1年から4年まで、4年修了時に進路が分かれます。(州により基礎学校が6年制であるところや第5学年と第6学年を進路決定のオリエンテーション段階としているところがあります。)
     
  2. 前期中等教育(Sekundarbereich I )から3コースにわかれます。この段階で取得する資格によってその後の進学の可能性が左右されます。
    1. 基幹学校(Hauptschule)第5学年または第7学年(上記参照)から第9学年までで義務教育のみを終わる者
      第10学年まで進むことも可能で、第10学年修了者は実科学校卒業者と同様に職業専門学校に進むことができる
       
    2. 実科学校(Realschule)第5学年(上記参照)から第10学年までを修了し中等教育修了資格(Mittlerer Bildungsabschluß(Mittlere Reife)) を得る者
       
    3. ギムナジウム(Gymnasium)の5年から10年まで
       
  3. 後期中等教育(Sekundarbereich II )この段階になるとさまざまな進路にわかれます。主なものは
    • ギムナジウム高学年 11学年と12学年(以前は州により13学年までありましたが、現在ではドイツ全国12学年までに統一) アビトゥア試験(大学入学資格)を受験
    • 専門上級学校(Fachoberschule)を修了し専門大学入学資格を取得
    • 職業専門学校(Berufsfachschule)を修了し職業訓練修了資格を取得
    • 職業教育(デュアルシステムのページを参照)
  4. 高等教育(Tertiärbereich)
    • 総合大学(Universität)
    • 専門大学(Fachhochschule)ほか

 男子の場合は満19歳で10ヶ月の兵役義務があります。

学校の種類

基幹学校 Hauptschule

 基礎学校に続く独立した教育機関であり第9学年で修了するものを基幹学校普通修了(Einfacher Hauptschulabschluß)と呼ぶ。
 第10学年まで修了すると基幹学校有資格修了(Qualifizierter Hauptschulabschluß/実科学校修了と同等)を得ることができる。
 1990年代からいくつかの州では本科学校生と実科学校生の統合学級(Integrierte Klassen für Haupt- und Realschüler)が導入されている。

実科学校 Realschule

 基礎学校に続く一般教育を行う学校であり第10学年で終了する。州により基礎学校が4年または6年間であるので、実家学校は6年制もしくは4年制である。1964年に連邦で実科学校という名称に統一された。ザクセン州では中学校(Mittelschule)と呼ばれる。
 実科学校を卒業することが多くの場合職業訓練の前提であり、職業訓練後の専門上級学校(下記参照) 進学のための前提条件ともなる。
 上記の統合学級導入に伴い実科学校が廃止された州もある。

ギムナジウム Gymnasium

 大学入学資格となるアビトゥア試験(Abitur)で修了する学校で、通常は第5学年から第10学年の第二次教育Ⅰおよび高学年 Oberstufe (第11学年と第12学年)と呼ばれる第二次教育Ⅱの二段階により構成される。高学年では講座制度がとられ、定められた指針に従って生徒が自由に講座を選択することができるようになっている。従来は9年制で第13学年があったが、現在では全州で8年生へ移行した。

総合学校 Gesamtschule

 本科学校・実科学校・ギムナジウムをまとめた学校教育センター。内容的には従来の学校の種別が保たれている協力的総合学校(Kooperative Gesamtschule)と種別を超えて融合された統合的総合学校(Integrierte Gesamtschule)に分類される。

職業進学準備学校 Berufsaufbauschule

 本科学校を9年で修了し(中等教育修了資格を取得しないで)職業訓練を終えた者が専門上級学校へ進学する資格を得るために通う学校。職業訓練終了後に通う全日制 の場合は一年間、職業訓練と平行して通学する定時制の場合は三年間。

職業学校 Berufsschule

 職業訓練生(Auszubildender)が訓練先企業での実地訓練と平行して通わなければならない学校(デュアルシステム)。通常3年間。
 職業訓練先企業の見つからなかった者はこの学校に通う義務がある。

職業専門学校 Berufsfachschule

 デュアルシステムの職業訓練に代わる第一次職業訓練としての1年から3年間の全日制学校。 卒業すると専門上級学校の入学資格が得られる。

商業学校 Handelsschule

 商業部門の職業準備教育を行う職業学校で通常2年から3年間学び専門上級学校入学資格を得る。さらに上級商業学校(Höhere Handelsschule)に進んで専門大学入学資格をとることもできる。

工場学校 Werkschule

 企業が職業訓練および社内継続訓練の目的で設置し運営する私立の職業学校および専門学校。

家政学校 Hauswirtschaftsschule

 家政の習得および家政経済職種の職業訓練を行う学校。職業学校、職業構築学校、職業専門学校、専門上級学校、専門学校のそれぞれのレベルがある。

専門上級学校 Fachoberschule

 職業訓練を終わった者が専門大学(Fachhochschule)入学資格を取得するための学校。 一年間の実地訓練(第11学年・一部学校教育もあり)と一年間の学校教育(第12学年)からなる。
入学資格となるのは職業訓練修了(この場合は実地訓練免除)または職業専門学校卒業、上級専門学校の準備課程修了など。

専門学校 Fachschule

 第一次職業訓練終了後、更なる訓練のため、もしくは専門職・マイスター資格等の特殊資格取得のために通学する学校。

特殊学校 Sonderschule

 さまざまな障害をもった就学児童・生徒のための学校。学習障害・精神障害・身体障害・感覚障害・言語障害等のための特殊学校があり、特殊職業学校・特殊職業専門学校もある。

アビトゥア試験 Abitur

ギムナジウムの修了試験となるアビトゥアは同時に大学への入学資格試験でもある。

アビトゥア証書には

  1. アビトゥア試験の成績
  2. 能力科目(Leistungskurs)の成績
  3. 基礎科目(Grundkurs)の成績

についての評価が盛り込まれる。
試験に合格するためにはそれぞれの領域で最低でも300点満点中100点なければならない。

 基礎科目数は20、能力科目数は6、専門論文(もしくは同等の証明)、アビトゥア試験(3科目の筆記試験および必要に応じて口頭試験、さらに一科目の口頭試験)すべてが合算されて評価される。

   
 

ドイツ語通訳 ドイツ語翻訳 ドイツ国家検定通訳・翻訳士 井上英巳 Seit 29.6.01